[完]愛しいキミは♂大親友♀ 〜女装男子の悩める日々〜
だってあたしは、先輩の
本質を全く見れてなかった。



3年も片想いしてたくせに、
先輩がああいう人だなんて
これっぽっちも知らず、
ただ表に見える先輩像
だけを信じて、憧れて――。



―――あたしは彼自身と
周りが作り出した、風見
先輩の幻影を見てただけ。



それで『大好き』だなんて
思い込んでたけど――
本当は先輩のことなんて、
全然ちゃんと見てなかった
のかもしれない。



“本気”も“大好き”も、
全部まやかし。



あたしはまだまだ恋なんて
語るのは100年も1000年も
早い、子供だった……。


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