自閉症児光の夢、それは働く人になりたい
光の行動には必ず意味がある。


幼稚園の帰りは、みんなで並びバス停まで歩いて行く。


その列の前後にお母さんが一人づつ着く。



一人のお母さんに、光君がバス停まで走って危ないと注意をされる。


でもその行動には意味があり、年長の女の子が教えてくれた。


「光君はいつも時計を見ていて、みんなが中々並ばないといつもの時間より遅れる。だから光君はバスに乗り遅れてはいけないと思い走るの。」


年長の女の子の話に納得出来た。


たとえ、光の行動に意味があっても、みんなと同じ行動をしないと、いけないことを話して聞かせる。


理解が出来ないとしても、何度も言い聞かせた。


「いつもの時間が過ぎても、走るのは駄目。バスに遅れたりしない。大丈夫。」


光はそれからバス停まで走ることはしなかった。


ゆっくりと話して聞かせれば、理解出来ることを知る。


これからも、頑張ってことばで伝えて行こうと思った。













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