殺し屋M

髪は、目刺し帽を被った時に女性だとばれないようにとなるべく現場に毛髪や体毛を残さない為だ。

Mは、頭を剃っていた。


ブラジャーも外して晒しを巻くようにも言われていた。


サユリを女だと分からないようにするためだった。


Mと十階まで上がると目刺し帽を被った。


軍手はすでに付けていた。

十階には、誰も住んでないのはサユリがきちんと調べてあった。


十階から屋上に上がる階段を登った。


屋上では、ヒュンという音とハ!ハ!という息づかいが聞こえてきた。


谷川謙二が素振りをしているのだ。


彼は努力家でナイトゲーム以外の時は大抵ここで素振りをしていた。


今日はデーゲームを終えた日だった。


サユリの調べでは九十九パーセント素振りをする日だった。


彼は天才と呼ばれていたし練習嫌いと言われていたが人前で練習するのが嫌いなタイプだった。


なぜこの男を殺すのかわからないが殺し屋には永遠にわからない事だった。


その事を詮索するのもタブーだった。


殺し屋に理由は要らなかった。


車屋が車を売るように何故車が必要かよりも売る事が大事なのだ。

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