殺し屋M
準備

携帯が鳴る。

Mは、驚き布団から手を伸ばす。

この三週間携帯が鳴った事はなかったために携帯の存在を忘れかけていた。

三週間前に携帯が鳴った時は振り込め詐欺の電話だった。


「ハイハイもしもし。」

「Mか仕事だ。十日後に一人消して欲しい。」


「ハイ~十日後って俺は、もう一年近く仕事してないんだよ。準備が大変だよ。」


「何言ってんだ!馬鹿野郎お前はそれでもプロか?報酬は高いぞ。」


Mは、馬鹿野郎と言う言葉に反応しながらも言い返す。

「お金は、そんなに必要ないんだよ。俺は堅実に生きてるから。」


「もう決まった事だ。

細かい事は女を行かせる。今回はそいつと組んで仕事だ。

八日後に女から連絡がある。携帯料金きちんと払っておけよ。」

一方的に携帯が切れた。

Mは布団から出て腕を組む。


「ふぅ~仕方ないなあ。準備に入るか。しかし、十日は短いなあ。」


間延びした声を出しながらMは伸びをした。

< 2 / 21 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop