To.カノンを奏でる君
「草薙花音! 今すぐ幸場病院に向かえ! 時枝祥多が危篤状態――」
教頭の言葉が終わる前に花音は教室を飛び出した。
直樹と美香子も花音の後を追い、教室を飛び出す。
バタバタと走る足音が響く。
騒ぎを聞きつけ、教室から出て来た生徒指導の先生が花音を捕まえる。
「何をしている! まだ授業中だぞ!」
勢い良く花音を怒鳴りつける。
花音は俯いたまま息を切らしている。
「聞いているのか?!」
「……なして下さ……」
震えた声で花音は訴える。
「おい!」
「離して!!」
キッと先生を睨みつける。すると後からやって来た美香子が助け船を出す。
「幼なじみが危篤なんです! 行かせて下さい!」
美香子の言葉に、先生はやっと状況を把握した。
この学校には心臓に疾患のある生徒がいたという事を思い出す。
「済まん」
潔く花音の腕を放すと、花音は一目散に駆け出した。
彼女は上履きのままで玄関を飛び出す。直樹も同様に上履きのまま飛び出した。
靴に履き替えてと言いかけ、美香子は口を閉じた。きっと今の花音にも直樹にもその言葉は届かない。
取りあえず美香子は靴に履き替え、玄関を飛び出した。
先頭をきって走る花音は顔面蒼白で息を切らしている。少し後方でそれを見つめる直樹は大通りに出た所でタクシーを捕まえた。
教頭の言葉が終わる前に花音は教室を飛び出した。
直樹と美香子も花音の後を追い、教室を飛び出す。
バタバタと走る足音が響く。
騒ぎを聞きつけ、教室から出て来た生徒指導の先生が花音を捕まえる。
「何をしている! まだ授業中だぞ!」
勢い良く花音を怒鳴りつける。
花音は俯いたまま息を切らしている。
「聞いているのか?!」
「……なして下さ……」
震えた声で花音は訴える。
「おい!」
「離して!!」
キッと先生を睨みつける。すると後からやって来た美香子が助け船を出す。
「幼なじみが危篤なんです! 行かせて下さい!」
美香子の言葉に、先生はやっと状況を把握した。
この学校には心臓に疾患のある生徒がいたという事を思い出す。
「済まん」
潔く花音の腕を放すと、花音は一目散に駆け出した。
彼女は上履きのままで玄関を飛び出す。直樹も同様に上履きのまま飛び出した。
靴に履き替えてと言いかけ、美香子は口を閉じた。きっと今の花音にも直樹にもその言葉は届かない。
取りあえず美香子は靴に履き替え、玄関を飛び出した。
先頭をきって走る花音は顔面蒼白で息を切らしている。少し後方でそれを見つめる直樹は大通りに出た所でタクシーを捕まえた。