『A』
 
………

響子に連れられてビルの屋上へと来た三人、その目に映ったものとは…。

「へ、ヘリコプターッ!?」

「“アパッチ”…戦闘ヘリですね」

「一体、どこでこんなもん手に入れたんだよ…」

「ポーカーのカタにちょっと、な」

驚く三人にはにかむ響子は、迷わずヘリに乗り込む。

「行くぞ、もう奴らの場所はわかってる」

「い、いつの間に…」

「ヘッ、上等!
行くぜ!」

亮はズボンのポケットから取り出した黒いバンダナを、右腕に巻き、ヘリに飛び乗る。

「行きましょう
操縦は任されました」

匠は白手袋を着け直し、颯爽とヘリに乗り込む。

「―――」

貫は両目を閉じ、その場に立ち尽くした。

決意を、固めている。

覚悟を、決めている。

そして、意志を強めているのだ。

最後までやり切るのだというDetermination――断固たる決意――を持ち、貫は、ゆっくりとヘリに乗り込んだ。
< 338 / 401 >

この作品をシェア

pagetop