【企画】バトル、それは甘美なかほり【キャラバト】
執事vs幽霊


(一)


『日本の別荘にある古書が読みたくなった。あるだけ全部、持ってきてくれ』


それがクラウン・セバスが日本にいる理由でもあった。


上記は主の命令。主にかしずく執事たるクラウンは、人里離れた丘高い場所にある別荘を訪れた。


日本には不釣り合いな、なんとも西洋的な屋敷。レンガ作りだが、長い間、手入れがしておらず、廃れていかにもな雰囲気が漂う。


だからだろうか。


「きゃーっ、人間ー!」


「……」


屋敷に入るなり、半透明で足がない少女に出くわしても、さしてクラウンは動じなかった。


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