【企画】バトル、それは甘美なかほり【キャラバト】


まず、眉間を揉みほぐし、日頃の疲れから見える幻影ではないことを確かめた。

「きゃー、きゃー、すみませーんんんん!」


「……」


完璧に幻でないのは、姿だけでなく声まで証明している。


足が無い半透明なことをいいことに、屋敷のエントランスをびょんびょん飛び回り、明らかなるパニックを起こす少女。――いや。


「幽霊とは、また……」


初めて見る“人種”だと、目を細めた。


「悪気はないのーっ、不可抗力なのーっ、だからー、すみません!」


クラウンの後方にある玄関から逃げる気なのは目に見て分かり。


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