【企画】バトル、それは甘美なかほり【キャラバト】
遅らせながら、助かった、と安堵する織部だったりしたが、赤ずきんちゃんの執念を甘く見てはいけなかった。
「家畜に触れるのは嫌だけど、背に腹は変えられないわ。腹を裂いて、石を詰めてあげる」
前に出された指の爪が鋭利になった。隠し刃のように。
手を床に置き、威嚇するかのように腰をあげて、牙をちらりと剥き出しにする少女は萌え……ああ、いや、命の危険を感じた。
獣と相違ない。飛び付き、言った通りのことをするのだろう。
いつでも自分の腹をかっさこうとする鋭利に、また心臓バクバクさせながら、織部は思考をフル回転させた。