ストレートラブ
《山下ぐ~ん……》
《それにしても、大々的な告白過ぎて驚くんだけど》
《だって!》
《こんなマイクまで使って、しかもエントリー辞退したくせに……今かよ》
山下くん?
《2年5組、滝沢……沙良さん。毎回毎回、お騒がせな人で超メーワクしてるんですけど》
な、なっ!?
《朝学校に来れば、ドアに張り付いて挨拶してきて、休み時間もさりげなく俺の教室前の廊下を通る振りをして教室を覗き込み、放課後もチャイムと同時に飛んでくる。本当にストーカー並で恐ろしい》
あぁ……とてつもなく恥ずかしいことを、暴露されてる気がするのはあたしだけ?
《思い込み激しいし、勝手に俺に好きな人がいることになってるし、元気かと思えば超落ち込んでるし、かと言って心配して気にすれば、ニッコニコ笑ってる。いや、ニヤニヤか》
ちょっ、山下くん!?って、みんなも笑わないでよ!!……ん?今、心配って言葉が聞こえたような?
えっ……山下くん、あたしのことを心配してくれてたの?
《だから、絶対にアンタのことをそんな対象として、見ることはないって思ってた》
体育館に残っている生徒達がなぜか道を作り出した。