ストレートラブ





「ちょっと待ってよ!1つ、あたしが解決してないことがあるんだけど!」



「ったく何だよ、滝沢」



「この山下くんの顔の傷は何?どう見ても空手でやり合った傷じゃないよね!?」



山下くんの美形なお顔に傷を作るなんて、どんな理由であろうとあたしは許さないっ!



「それ、お前のせいだぞ」



「へ?あ、あたしなの?」



「あぁ。お前が俺達に喧嘩を売ったことを謝りたいから一発殴ってくれって。断っても聞かないから…軽く、な」



や、山下くんがあたしのために、大切なお顔を犠牲にしたってことなの?



「しっかり手当しろよ、滝沢!」



「細川くんに言われなくても、愛のパワーで傷もピッカピカにしてやるもんっ」



細川くん達が公園を後にして、山下くんと2人きりになった。早速細川くんが言ったことを聞こうとしたら…



「……絆創膏ある?」



あたしが発する言葉がわかっていたように、始めから話をそらされた。





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