ストレートラブ





あたしは、お花模様の絆創膏を取り出して山下くんに渡した。



「………派手」



「可愛いでしょ?コレ、お気に入りなんだぁ〜!」



「………あっそ」



まったくもうっ。素っ気ないのはいつでも健在なんだね!



「山下くん、あの…」



「庇ったんじゃない」



「へ、へい?」



「細川さん達に悪いから、殴ってもらっただけ」



お花模様の絆創膏を傷口に貼りながら訂正する山下くん。



「それでもあたしは嬉しいのっ!だってあたしが関連してるんだもんっ、ねっ?だからごめんねっ!喜んじゃいます♪」



「……アンタ大丈夫?」



「もう、た・き・ざ・わ・さ・らって自己紹介したじゃん!」



ツンッと傷口を触った。



「……っやめろ」



「山下くんお花模様似合うよ♪」



「嬉しくな…」



山下くんと仲良くやり取りをしていた時だった。



「あっ、ヒロちゃん!」



公園の入り口から女のコの声が聞こえたんだ。





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