執事と共に賭け事を。
「変わりに、僕はこれを掛けよう」


ちゃりん、とヒガキは鍵を差し出した。


「アンダーグラウンドからの鍵だ」


ヒガキの笑みは、あくまで変わらない。


「君をここから出してあげよう。……ただし、僕に勝ったらだけどね」


恵理夜は、ヒガキの笑みに常に含まれていた違和感の正体を知った。


それは、紛れも無い敵意だった。
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