執事と共に賭け事を。
ラウンジにてブランデーを嗜んでいた祖父が訝しげに眉を寄せた。


「船の中だろう、どこかにいるに決まっている」

「ええ、その通りなのですが……」

「仕方ねぇ、人手を何人か出そう」

「恐れ入ります」

「いや、お前だけが原因じゃない」


祖父は、グラスを置いた。


「どうやら、恵理夜に指輪を預けたのが裏目に出たらしい」
< 111 / 254 >

この作品をシェア

pagetop