執事と共に賭け事を。
「この船は、大旦那様方も出資されている、とお伺いしました」

「ああ、その通りだ。それがどうした」

「……オーナーのご子息であるヒガキ様が、お嬢様のことをひどく気に掛けておられるようでした」

「そいつぁ本当か」


祖父の表情が厳しいものになった。


「……ヒガキ様、彼は一体何者なのでしょう」

「お前ぇがそう聞くってことは、何かを嗅ぎ取ったって訳だな。大ぇした勘だ」


と、口元だけで笑みを浮かべた。
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