執事と共に賭け事を。
ツバキがスローイングラインに立つのがわかった。

春樹は、強い敵意を孕んだ瞳でツバキを睨みながらダーツを返した。


「では、始めましょ」


右足を前に出した潔いフォームで、ツバキはダーツを放った。


上半分の真ん中、20のエリアである。


ダーツにおいて最も点数が高い場所。

いともたやすく3投、20のエリアに刺さった。

ツバキに60点が入りなおかつ、20の陣地が彼女のために開かれる。

春樹が仮に20の陣地に当てても点数が入らなくなるのだ。
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