彼を捕まえろ!〜俺様男はハート泥棒〜
「なんか菜々子かーちゃんに顔、合わせずらい…」
浬世也はそう小さな声で呟いて私を抱き締める
「うん…ちょっとね…」
どうしようもない罪悪感と背徳感
浬世也に抱き締められることは慣れていたけど、前とは意味が違う
浬世也はそれからお母さんが寝静まった頃合いを見計らって、家に帰って行った
浬世也が帰ってから洗面所の鏡で自分の首を見てドキリとする
「うわ…よかったお母さんに会う前に気付いて」
私は首元に広がる赤い痕をどうにか隠そうと思案していたが
結局、いい案が思い付かずに絆創膏を貼って隠すことにした
「月曜日までに治るのかなこれ…」
また斗真くんの顔が思い浮かぶけど、それを頭をブンブン振って吹き飛ばす
私はとんでもない深海にはまっていく思いがして小さなため息をついていた