彼を捕まえろ!〜俺様男はハート泥棒〜



「工藤…お前、何やってたんだ?」



見ると後ろの扉から斗真くんが入って来ていた



「すみません」



それだけ言うと私の隣の席に座る



でもその間に私をチラリとも見ることはない



斗真くんが帰ってきた


うれしい、うれしい


こっちを見てくれなくても


他の誰かといるよりマシだよ


私は安心してまた一粒涙が机にシミをつくる



ボスッ━━


「いて…」


「であるから……ん?倉田どうした?」


「いえ…なんでもないです…」


「そうか?…え〜ここからがこの文の引用で…」



私の頭に当たって落ちたのはタオル


投げられた方向を私は見るとその主は頬杖をついて窓の外を見ている



斗真くん


斗真くんの反則技で


私はいつだってノックアウト寸前になんだ






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