彼を捕まえろ!〜俺様男はハート泥棒〜



授業が終わって、私はすぐに斗真くんに話し掛ける



「斗真くん」


「………」


昼休みまでは少し私に心を開きかけてくれてると思ってたのに



何時間もしないうちに振り出しより悪くなってる気がする



「斗真くんこのタオルありがとう、洗って返すから…」


そこまで言うと斗真くんはゆっくりと私に視線を向ける



よかった!


こっち向いてくれ…



「お前って俺のこと好きだったんじゃないの?」



私はそう言うわれて目を丸くする



そうだよ!

当たり前だよ!

ずーっと好きだったんだから!


浬世也は弟なの


そう言おうと思って口を開こうとする



「あ〜もういいや…女ってわかんないわ」


「あの…違うの…」


「切り替え早いね?」



そう言って私に笑いかける斗真くんだけど



その笑顔…

全然うれしくない




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