DIA-ダイヤ-
(…病院?やだ、行きたくない…)


「ハルカ、立てる!?」


母が私を連れて行こうと体を引き上げる。


(…ぃゃ、いや、いや!)


「やめて!病院なんか行ったら入院させられる!そんなの絶対いやー!!」


私は母の手から逃れるため、力一杯暴れた。


私に弾き飛ばされて母が手を離した瞬間、私の体はバランスを崩して床に叩き付けられる。


這いずりながら必死にベッドの方に逃げる私。


(悠斗に、悠斗に会えなくなっちゃう!)


狂ったように全身で拒絶する私に、母は驚きと憐れみの入り交じった目で言葉を失っていた。


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