新撰組と少女
「近藤さん、失礼します」

あ、いつの間にか近藤さんの部屋の前に
来てたんだ。
気づかなかった・・・

「近藤さん、ただいま戻りました。」

「おお、2人とも無事で何よりだ。」

近藤さんは笑顔で迎えてくれた

「んで、総司。どうだった?」

土方さんは相変わらず無愛想

「何がですか?」

「・・・てめえ、わかってていってんだろ」

「だから何のことですか?
 ちゃんと本人から聞いたほうが
 いいと思いますけど」

「てめえ・・・」
「ほらほら意地はってないで」

「・・・鳳上院ゆら 
 なにか、綴どのから言われていないか?」

「妖怪退治を頼まれました」

「そうか・・・」

「ゆらくんそれは、松平公直々のもの。
 松平公に忠誠を尽くしている
 我々からもよろしく頼む。
 そして、我らにできることなら
 なんでも協力しよう。
 
 綴殿がああなってしまった今、
 頼めるのは君しかいないんだ。
 頼む!!」

近藤が頭を下げた。

「近藤さん頭を上げてください。
 私は4代目に任務を頼まれました。
 そして、無理をしてでも遂行します。
 大丈夫ですよ。
 だから顔を上げてください。」

「すまない。ありがとう」

「でも、ゆらさんのとうぶんの
 寝床どうします?
 鳳上院邸は入れないし・・・」

「大丈夫ですよ。
 夜は任務をしていますし、
 昼は町でぶらぶらしていますから」

「それはいけない!!」

「へ?」

「そんなんだったら一睡も睡眠していないじゃないか!!
 それに女子を1人で野宿させるなんて・・・!

 ここに、住みなさい。ゆらくん!!」


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