新撰組と少女
土方side

今、俺は近藤さんの部屋にいる

さっきの話で気になるところがあったからだ

「なあ、近藤さん。
 近藤さんは、松平様に
 鳳上院ゆらがいるということを
 伝えたのか?」

「いや、[鳳上院 ゆらはいるか?]
 と言われて、いると答えただけだ。」

やっぱり・・・

じゃあ

「なんで、松平様は鳳上院 ゆらがいることを
 知っていたんだろうな。

 だって、鳳上院家は全滅ってことになってる。
 ってことは、部屋から出ていないはずの
 鳳上院 ゆらの存在が知られるはずがねえ
 そうだろ?」

「たしかに・・・」

近藤さんは思案顔。

「どういうことなんだろうな・・・」

「ああ、これは、本人から聞くしかないな・・・
 山崎も、途中で見逃して
 そのあとは、総司の部屋に戻ってくるまで
 所在は分かっていなかった。」

「つまり・・・
 その間にゆらくんは
 外に出たと?」

「ああ、たぶんな・・・」

「しかし、ゆらくんは
 松平様とどういう関係なんだ?」

「わからねえ・・・」

はあ、考えても考えても
答えが出てこねえ・・・

何を隠してんだ、鳳上院 ゆら・・・。

俺らは、全てを受け止めてやるっていうのに・・・
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