新撰組と少女
沖田side

「土方さん。完璧に寝ちゃったみたいなんで
 入ってきてもいいですよ」

スッ-------

襖を開けて土方が入ってきた

「なんだ、気づいてたのか」

「もちろん」

にこにこと笑顔を張り付けたままの沖田
でも、その笑顔はいつもと違う雰囲気を
醸し出していた。

「色々とためてたんだな。こいつも」

そういって土方は沖田の腕の中で眠る
ゆらを見つめる

「ええ。こんなに小さいのに一族の存続までかかってるなんて。
 しかも、それに巻き込まれるなんて、怖かったでしょうね」

「ああ、でも、さっきの・・・」

「はい。『あんなにたくさんの妖怪』っていうのは気になりましたね。 
 あと・・・」

「『任務も増えた』が気になったんだろ?」

「はい。やっぱり土方さんもですか?」

「ああ。こいつの行動には不信な点がたくさんあるからな。
 部屋はしょっちゅう抜け出してるし。
 芹沢さんとはしょっちゅう会って話してるし。
 ・・・気をつけますって言っときながら」

「それは、たしかに、気になりますね・・・」

「ああ、山崎を使わせたんだが
 途中で見失うらしい。
 どうやら、こいつは山崎がつけてきているってことを
 知っているらしいな」

はあ~と盛大なため息をつく土方さん

「あと・・・」

土方さんの目つきが変わった

「松平様とも何らかのつながりがあるようだ。」

「!!」

「松平様が鳳上院の協力要請を頼んだとき、
 なにも近藤さんは松平様に言っていないらしい」

「ってことは・・・」

「ああ、松平様はこいつが屯所にいるってこと前提で
 頼んできたんだ」



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