新撰組と少女
あ、そういえば、口から血を吐いたんだっけ・・・

まさか、バレるなんて・・・

「なにか、つらいことでもありましたか??」

沖田さんが優しく私の頭を撫でてくれるものだから
今までためていたものが我慢できなくて一気に
涙となって流れ出た。

「ふっ、くっっ」

その間も沖田さんはずっと私の頭を撫でてくれた

「こ、怖かった・・・
 あの時、気配に気づいてなかったら私・・・」

死んでたかも。
松平邸から帰るときに襲われたときのことを
思い出した。
そう思うだけで恐怖が襲ってきた。


それから、ポツリ、ポツリと話し出した。

「それに、4代目だって、良順先生たちだって・・・
 あんなにたくさんの妖怪相手にするのだって本当は怖くて
 しょうがなかった・・・」

あの時、いつの間にか妖怪たちはいなかった
無意識のうちにゆらは力を開放していた。

「みんなだって、私が、私が何とかしなきゃ
 つらいままだって・・・
 どうすればいいのか頭の整理がつかなかったのに、
 任務は増えちゃって・・・
 いつの間にか、逃げてた。
 そんな自分も情けなくて・・・」

仲間のことを知らされて、全然整理がついていなかったのに
任務は増えていく一方で、精神的にも肉体的にも一杯いっぱいだった。

それから、ずっと沖田さんの腕の中で泣いた。

沖田さんの腕の中は暖かくて優しくて
心地よかった・・・。

そして、いつのまにか寝てしまっていた

スースー

いつの間にか拷問も終わっていて
土方が部屋の外にいたことなんて
私は知るよしもなかった。

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