その手を離さないで


「な、なんか変な感じ」


あたしは、蒼ちゃんの隣に座りながら、そう言った。



「何が?」



「だって、ついこの前まで、蒼ちゃんはいなかったのに」



まるで、今まで離れてたのが、ウソみたいに自然なんだもん。



「だよな。オレさ、諦めてたんだ」



「何を諦めてたの?」


「未来との再会」



あたしとの再会…?


「だって、編入した高校に、未来がいなかったし…」



ちょっと…、


こんなのドキドキするんだけど。




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