その手を離さないで
亀裂


――バタバタ…。



「蒼ちゃ~ん!」



小走りで、あたしは蒼ちゃんの病室に向かった。


「今日も天気がいいよ~」



なんて、言ったところで、蒼ちゃんが返事をしてくれるわけがない。



あれから二週間。



蒼ちゃんは、ずっと眠ったまま。



「たくさん、器具がついてるね」




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