お願い、抱きしめて
きっと、この気持ち。今日知った気持ちは、ずっと変わらない。
「壁にぶつかって、逃げたくなったて…お前はお前だ。変わらない気持ちがあるなら、足掻いて、しがみつけ」
喉の奥まで熱くする痛み。
声を出そうとする度に、口から入る空気で言葉を詰まらせる。声にできない気持ちが詰まって、涙へと変ってく。
「大人になった時、"昔はこんな事あったよな"って笑って過ごせる人生を描けたら幸せだ」
遠くを見るように呟いて、オレに伝える言葉。ただ頷いて、目尻に指を添える。
涙で濡れた頬は温かい。
それから、深見の言葉を何回も心の中で繰り返した。