お願い、抱きしめて
オレは気を紛らわすために数学のノートを開いて勉強のフリ…だけど。
菜子さん…かわ、可愛い…。
隣にいる菜子さんばっかり見てしまい、勉強のフリ所じゃない。
『勉強しないの?』
本をパタンと閉じノートを出すと、菜子さんはペンを走らす。
『休憩中です』
オレはもう一本のシャーペンを筆箱から取りノートに綴る。
触れそうな肩が近くて。キスできそう…だけと、図書室だし。キスはまだ馴れない。