恋色語
「…って高梨さん、そんな方法じゃこいつ嘘つきますって」

「指差すな。しかも1年が3年にこいつって言うな!!」


ガッ…ガッコンッ!!
うわ、アルミ缶ぺしゃんこだ。


「ふふ、大丈夫。私渚ちゃんの言うことは信じるから。申告してくれたら理由なしでも制裁するわ。

じゃ、その調子でお願いね」


それはつまり八木の手綱をつかんだも同然…。あはは、高梨さんを苦笑いで見送っちゃった。


「ふぅ。…で、どうよ。この部活の感想は。仮入部から何個かの依頼を達成してきたわけだが」


あれからいくつか依頼をこなしてきた。猫探しだったり校内の掃除だったり、他の部活と共同したり。

もう決断の時だ。もう…そういう時期。時間は待ってはくれない。

感想…とは言えないかもだけど、一つ言えることは


「何だか新聞部っていつも笑顔がある気がする。部はもちろん…それを取り巻く人々にも」


放課後、誰かに感謝されて笑顔で帰る。その誰かも笑顔になって別れを告げる。
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