恋色語

過去と現在

片桐は中学生の時、口数が少ない人だった。学校では友達と話していたけれど、家では家族に話しかけなかった。

思春期というのもあり、家族が話しかけても相づちや一言だけの返事しかしなかった。

そんな片桐が中学3年生の時の、冬だった。



「怜ー、晩御飯できたって。…入るよー」


片桐宅。ノックしても反応がないため、絢香さんは怜の部屋に入った。

その時期、高校受験を控えた怜は日々勉強に勤しんでいた。


「よっ、頑張ってるね。ご飯だよ」

「………」

「シカトやだー。怖いー」


絢香さんはそう言って、机で勉強してる怜の肩を揉み始めた。

ぎぎぎ、とイスが後ろにのけぞる。


「分かったからやめろウザイ」

「どこで覚えたのそんな言葉。記事にするぞー、最近の中学生の口は悪いってね」


当時絢香さんは清林高校の3年生だった。そして私と同じ…






新聞部だった。
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