やさしい手のひら・前編【完結】
久しぶりに映画を見た。とても切ないストーリーで私は最後まで泣いていた。そんな私を見て、何度もヨシヨシと頭を撫でてくれていた


マンションに戻り、いつものように一緒にお風呂に入り、いつものようにおやすみのキスをし、私と健太は眠りついた

ガサッ

「夢…?」

どんな夢を見たのか覚えていないけど、私は汗だくになっていて、涙が流れていた

「どうした?」

目を擦りながら健太が起きた

私が泣いていることに気付きびっくりしていた

「どっか痛いのか?」
「ううん。なんか夢見てたみたいで」

「汗すごいし、泣いてるし。どんな夢だった?」

「わからないの。覚えてなくて…」

真っ暗闇の中に私がいて、それで誰かを追い掛けていて、それ以上のことは思い出せなかった

健太はベットから離れ、私の着替えとタオルを持ってきてくれた

「取り替えよう」

そう言って私のTシャツを脱がし持ってきてくれたTシャツに取り替えてくれた

「ありがと」

「また寝れる?」

「健太、ギュッてして」

何故か寂しくて甘えたくなった

何も言わず私をギュッとしてくれて、健太の胸に顔を付け健太の温もりを噛み締めた

私にはここが一番落ち着く。そう思い、また眠りについた
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