極悪彼氏
心配かけてごめん。



会いに行けなくてごめん。



辛いとき、なにもしてやれなくてごめん…。



そう言って謝りたいのに全く声にならない。



謝ったら泣いてしまいそうで。



男らしい想羽さんを見習えと言っていた渚さんだから…。



俺が泣いたらきっと怒る。



「お前、デカすぎ」

「渚さんと同じだったのに…」

「もうすぐ3年だもんな。そりゃあデカくなるって?」

「うん」

「琥太郎だ」

「そうだよ」

「あははっ!!元気そうじゃん!!琥太郎だ~!!」



ギュッと抱きつかれて、渚さんなりの喜び方。



なんだか少し照れてしまう。



「まさか夢羽と付き合うとはな!!」

「俺も不思議」

「でもアイツがお前を元に戻してくれたんだろ?」

「だから夢羽は大事」

「あたし、本当に嬉しいよ」



渚さんの笑顔も昔と変わってなかった。



強い女だとつくづく思う。



「渚さん、俺…できることあったら…」

「ありがとう」



力になるよ。



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