極悪彼氏
家に帰るとソファーでぐったりしてるオヤジがいた。



どうやら2週間の仕事は相当疲れたらしい。



帰ってきて2日、この調子。



「オヤジ」

「コタ~?お帰り~…」

「何で自分ち帰んねぇの?」

「帰った方が嬉しい?」

「言ってねぇ」

「ごめんね、親らしいこと何もしてやれないで」

「は…?」

「琥太郎の気持ちはわかったよ。明日出て行く。一緒に暮らすなんて、もうムリだってわかってたし」



なんだよソレ…。



俺がオヤジから離れたらすぐ諦めんのかよ…。



「今更どう接すりゃいいかわかんないしね」

「残念なガキで悪かったな」

「俺がそうしたんでしょ、琥太郎を」

「そんなこと思ってねぇ…」

「もう会いに来ない。生活費は毎月振り込む。俺の息子だなんて思わなくていいからね~」



ふざけんな…。



だからイヤなんだよ…。



結局俺はひとりにされるから…向き合おうなんて思うんじゃなかった!!



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