極悪彼氏
って、俺が欠陥商品って意味だったよな?



ふたりだけになった教室で、楽しそうなゲンジ。



「言葉足らずなんだよ、コタは。だから勘違いしちまう」

「しゃべってる」

「この会話もめんどくせぇんだろ」

「眠い」

「その単語で話すから勘違いもするわな」

「意味わかんね」

「今の女と付き合った時だってめんどくせぇからだろ」



確かに。



言い寄られんのが面倒でOKした。



愛情なんか与えてないのに、桜香はなんで俺んとこにいんだろ。



「お前って今の女のこと好きなの?」

「はぁ!?コタからそんなまじめな話し!?」

「だって最近ナンパしねぇし。あのバカ女」

「まぁバカだけど。カワイイんだよ。俺の女ってことでいろんな被害は被ってっけどな」

「耐えてんならいいだろ」

「やっぱ学校の女と付き合うと大変だな」



ゲンジは笑ってたけど、俺には少し悲しげに見えた。



だから滅多に学校の女には手を出さないようにしてる。


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