【番外編】鬼に愛された女【鋼編】



あれから何時間たったのだろうか


汗で着物がぐっしょりと濡れ、手が痛い


かなり息が上がったときに、父上が突然声を出して俺に言ってきた


「今日はここまでだ。お前は走って屋敷にもどれ。いいな?」


クマのような身体に、白髪交じりのヒゲ


目は人を殺せるようなほど


そんな父上を俺は恐いと思ったことは一度もない

むしろ、尊敬にあたいする



< 2 / 62 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop