死んだ瞳の綺麗な人間
・星羅side・
え?
今の声。

そう思い
あたしは
声のした方を見る。

あたしは
自分の
目を疑った。

だって…だって…

「く…うや?」

空也?空也なの?

そこには
たった一人の
あたしの
大事な弟の
空也がいた。

「そうだよ。
星羅。
俺だよ。空也だよ。」

あたしは
抱き付いた。

そして
泣いたんだ。

空也も
あたしを
抱きしめてくれた。

そして
泣いていた。

ごめんね。
ごめんね。空也。

本当に
ごめんね。

「ごめんね。」

「星羅は
何にも悪くない。
だから
謝らなくていい。
いいんだよ。」

本当に
優しいね。

空也は
優しい。

この
優しいは
変わってないね。

「空也。
ありがとう。」

あたしは
ごめんね。の代わりに
ありがとう。って
言ったんだ。

「あ~
お帰り。星羅。」

「うんっ
ただいま。空也。」



< 44 / 158 >

この作品をシェア

pagetop