社長の旦那と恋知らずの妻(わたし)
「あの」
「なんでしょうか?」
「今はちょっとあれなんで…。また今度見に来てもいいですか?」
別に今見たって良かったけど、私にはこのお店の敷居がとても高い気がして断ってしまった。
今の私が来る所じゃない。
ここはとびっきり幸せな人達が来る場所であり私のような恋知らずの女には向いてない。
だから、私は恋を知ってからこのお店に入りたい。
「勿論です」
「ありがとうございます」
「ただ、そちらは大人気商品で今ある物しか在庫がないんですよね…」
そうなんだ…
それなら早い内に来なくちゃいけない。
出来れば恋しちゃった人と一緒にこのお店に見に来たいなぁ…
どんな人なんだろうか。
その時、私の隣に立って居るのは。