社長の旦那と恋知らずの妻(わたし)
□Sighting
「拓斗さん。おはようございます」
「あぁ、おはよう」
今日も拓斗さんより早く起きてお弁当作りをし、拓斗さんの朝の珈琲を淹れてその隣には朝ご飯を並べていく。
そんな朝が馴染んできたのはもうすぐで入籍した日から2ヶ月に差し掛かる頃。
「優子」
「なんですか?」
「いい忘れていたが…」
なんだろう?
拓斗さんが新聞から私に視線を移す。
「今日は休みだ」
「えっ」
今日は土曜日だから拓斗さんが休みでも不思議ではない日。
「てっきり今日も仕事だと…」
拓斗さんは常に忙しくて休日だろうと平日だろうと関係ない。
だから、今日もお仕事だと思っていた。