社長の旦那と恋知らずの妻(わたし)



「本当にいいのか?」

「様子をみます」





何か言いたそうな拓斗さんが薬の蓋を閉め私の顔を見つめる。


――あれからビックリするくらい何から何までしてくれた拓斗さん。


タオルで拭いてくれて、またお姫様抱っこしてくれて、仕上げに薬まで丁寧に塗ってくれた。





「今から夜ご飯の準備しますね。ちょっと待っててください」

「駄目だ」





駄目って言われても材料は切ってあるから作らないといけないし。





「俺が作る」





拓斗さんが夜ご飯を?


拓斗さんの手作り料理なんて今まで一度も食べた経験がない。


疲れてる拓斗さんそんな事させられないと思う半分、拓斗さんの手料理を食べたい気持ちもあってそれはそれは難しい究極の選択。



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