社長の旦那と恋知らずの妻(わたし)



拓斗さんは知ってて…


私は拓斗さんが大好きだから抱きしめ耳元で囁けば素直になるって、知っててこんな事をしてるんですか?





「……っ」





それなら当たりです。


拓斗さんの予想通り‘諦めます’と言っちゃいそうな勢い。


そんな気持ちを消す為にぷるぷると頭を横に振る。





「……です」





小さな声で呟けば拓斗さんは私の顔を覗き込んだ。





「諦めたくないです。わ、たしは何と言われてもパートしますから」





ごめんなさい。


素直にハイと言えなくて。


拓斗さんは会社の社長さんでお金に一生不自由しないお金持ち。


そんな人の妻が何故パートをするの?なんて不思議がられるかもしれない。



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