社長の旦那と恋知らずの妻(わたし)



「優子さんと初めて会った時は拓斗も優子さんも余所余所しくて、反対するつもりはなかったけど夫婦として成り立つか本当に不安だったわ。この会話は主人に内緒よ?主人にバレたら怒られてしまうの」





お義母さんは微笑んでそう言ってから。





「そんな悲しい顔しないで?」





と、困ったような顔になった。


その言葉を聞く限り私は悲しい顔をしてるみたいで?





「今は嬉しさしかないのよ。拓斗と優子さんが結婚した事。主人といつも言ってるわ。拓斗と優子さんはこれから先ずっと仲良くやっていけるわって」





ごめんなさい。


お義母さん、ごめんなさい。





「私、愛してます」





その時私は初めてお義母さんに嘘をついてしまった。



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