SilverBeast
 元々孤児の子供は、暗い子が多いというイメージを持っていたウェルベントにとって、そのことを明るく言える彼女が不思議だった。


 そうやって突っ立っているウェルベントに、アリアはあいも変わらず笑顔を向ける。

「貴方も寝転がったら?気持ち良いわよ?」

「え?あ、うん」

 アリアの提案に従って、ウェルベントは彼女の隣に寝転がった。


 青空が広がる。

 仰向けだと空しか見えないから、なんだか解放された気分になる。

 クローバーの緑の香りは、自然と言う大きな力の一部。

 空の青とクローバーの緑に囲まれ、ウェルベントは自然の一部になったかのような感覚に浸った。

「ね?気持ち良いでしょう?」

「……うん」

 ウェルベントは明るく優しい声に浸るように目を閉じた。


 これが彼女、アリアとの出会いだった。


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