SilverBeast

 春が過ぎ、夏になると嵐が多くなった。

「今年の嵐は特に酷いな」
 と父が言っていた。

 今は今年一番だろうという嵐が来ていて、学校すら休校になっている。

 ウェルベントはアリアに会えないことを寂しく思いながら、家の中で暇を持て余していた。


 夕方頃になって、突然玄関先が騒がしくなった。

 異常な雰囲気に、不安が頭をもたげる。


「まずは皆空き部屋に!今タオルと毛布を持っていかせる!」

 玄関に繋がる廊下に出ると、父の声が聞こえた。


(何だろう?)


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