SilverBeast
 丁度毛布を大量に持った母が通りかかったので、捕まえて聞いてみた。

「母さん、何?どうしたの?」

「ああ、ウェン。丁度良かったわ、手伝って」

 母はそう言って、有無を言わさず持っていた毛布を半分ウェルベントに渡した。


「この嵐でいくつかの家が崩壊してしまったのよ。この家は高台にあるし、部屋もいくつか余ってるから、そこの人たちが非難しに来たの」

 そのまま歩きながら母は説明した。


「川岸の平屋に住んでる人は浸水で家にはいられない状況だし。……一番酷いのは孤児院ね」

「え?」

 心臓が一瞬だけ破裂しそうなほど高鳴った。

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