SilverBeast

もう一つの好き



「ただいま~」
 
 高鳴る鼓動を押さえ家の中に入り、鍵を閉めて靴を脱いでいると、ギンとウェンが出迎えに来た。

 
「唯、おかえり」

「お帰り、疲れただろう。夕飯温めればすぐ食べられるよ。それともお風呂先にする?入れるけど」

 
 ウェンの台詞に何とも言えなくなる。

 まるで新妻だ。素でエプロンが似合いそうだ。
 
 
「……えっと……お風呂、先に入らせていただきます」
 
「わかった、じゃあ上がったら呼んで、夕飯温めておくから」
 
 そう言うと、ウェンは居間へと戻る。

 ギンは何故か唯を少し睨んだあと、ウェンに続いて居間に向かった。
 
 唯は睨まれたことは特に気にせず、早々に部屋に行って着替えを取ってくる。
 
 
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