SilverBeast
「おはよう……」


 ツキン……


 ギンのその態度に、胸が痛んだ。


 抱きしめて、自分の気持ちを吐き出してしまいたい。

 そんな衝動を押さえ込み、唯はギンの斜め向かいの椅子に座り、小さく答えた。


「……おはよう…」






 ギンを拒んだあの日から、十数日が過ぎた。

 十数日が過ぎた今もギンとの気まずさは変わりなく、顔を合わせる度こんな感じだ。

 西條が言ったとおりにどちらかを選ぶことも出来ず、暗雲の日々だった……。




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