閃火高遠乱舞
「どんな形のブレス?」
「金のヤツ。何か青い石がついてて……ん?」
「…ん?」
 ゴリッ
 新川が言葉を止めると、足元で砂利とはまた違う物質が擦れるような音がする。新川はキンキラ輝くそれを引っ張り上げた。
「あった…」
 「あらぁ?」と首をかしげて言う新川に、宝王子をはじめとする仲間たちは怒るよりも先に「らしい」と呆れてしまう。このあたり、案外似たもの同士なのかもしれない。
「手、出してくれるか?」
「え?あ、ああ」
 苦笑しつつ上がる宝王子たちの横で、バンダナを外した新川が繊細な音を立てる金の腕輪を手にしつつ、手を伸ばした。後から思えば、クラウディオはそのときまだ思考が戻っていなかったのだ。呆気にとられていたクラウディオも、ハッとして素直に手を出してしまう。
 ――瞬間。
 バシャンと水しぶきが上がった。



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