Hope is not thrown away.


どうやらこの部屋は個別室らしい。


白い天井


白い床


白いカーテンに


白のベッド


白い机に


白い花瓶



何もかもが白で統一された部屋だった。



「私に何か用事があるんですか…?」


牛乳ルームみたいな部屋だな~と辺りを珍しそうにキョロキョロしていた春斗だが凛とした少女らしき声で我にかえった。


「えーっと俺はお見舞いに…………っ!」


中にいたのは俺と同じ年ぐらいの女の子がいた。

茶色の髪の毛がふわふわしていて

目がちょっとネコ眼で……

警戒するような目で俺を見ていて……

なんていうか………

一言で表すと


”小動物みたいで凄く可愛い”


ボ~っとベットの上で上半身を起こしている少女に見とれていると声をかけられた。


「あの・・・話、聞いてます?」


「ぅえっ!?」


「………私に何か用事でも?」


あ、そっか。俺お見舞いに来ていたんだ。



あれ?誰のお見舞いだっけ?


・・・・・・・・・・。


あぁ、奏の母ちゃんのお見舞いか。


どう見てもこの子は奏の母ちゃんではないな……。


俺ってもしかして部屋間違えた?

いや、でもちゃんと205って確認したし…

奏の奴・・・・俺を騙した?

いやいや。アイツはこういうところではボケない奴だ。絶対ちがう。

じゃあ目の前の女の子は誰だ?

…………今の科学技術って進んでるしなぁ


もしかしすると………


視線を少女に移すと少女は凄い形相で俺を睨んでいた。

え?怒ってる?

やべ、ナースコールされるかもっ


「アハハッごめん!部屋間違ってたみたいだから!」


俺は女の子がイライラモードの頂点へ達する前に部屋を出た。

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