【完】 SECRET♥LOVE 危険なアイツの危険な誘惑
ただこのままそばにいたいだけ・・・
そんな小さな願いさえも叶わない現実が翡翠を苦しめていた。
「主任何かあった?」
「どうして?」
「いつもの主任らしくない。」
「いつもの私ね・・・」
全て話して琥珀の決断に従うつもりだった。
でも翡翠は琥珀を失う事を初めて怖いと思った。
「何があったか言えよ。」
「何もないわよ。 ただ珍しく職場で一緒じゃなかったから寂しかっただけ。
ご飯にしよう。」
翡翠は琥珀の言葉から逃げるようにベットから起き上がる。
琥珀を失うかもしれないと思う恐怖と不安が翡翠に嘘をつかせる。
琥珀を前にしたら夫人に言った言葉までも自信がなくなる。
琥珀が望むなら自分から身を引くと。
そんな事出来そうにない弱い自分に気が付く。
「主任俺のこと好き?」
翡翠の背中に琥珀が投げかける。
「なんて答えてほしい? な訳ないでしょ!! 自惚れないで!!って答えたらいい? それとも好きって素直に答えても・・・ 困らない?」
翡翠の背中が小刻みに揺れる。
「困る訳ないだろ。バーカ」
そんな翡翠の背中を優しく抱き寄せる。
ずっとこのまま・・・
翡翠は琥珀の腕の中で願うことしか出来なかった。