【完】 SECRET♥LOVE 危険なアイツの危険な誘惑

どれくらい抱き合っていただろう。
琥珀の腕の中に翡翠はいた。

 「主任、俺の両親離婚したんだ。原因は父親の浮気。その相手があの女・・・」

ぽつりと琥珀が話し始めた。

 「俺は母親に引き取られ母親の姓を名乗った。その母親も俺が10歳の時に男を作って俺が寝てる間に俺の前から消えた。俺はその後母方の祖母に引き取られて育った」

翡翠にも琥珀に聞いていた以上のなんだかの事情があることは想像がついていた。
でも琥珀の話しは翡翠が考えていた以上につらい話だった。

翡翠は琥珀にかけてあげる言葉をみつけることが出来ないまま、琥珀をきつく抱きしめた。

 「その祖母も去年死んで俺はひとりになった。俺には親なんていないそう思って生きてきた。 それがいきなり親父の体調が思わしくないからってあの女が俺の前に現れて会社を継げって、笑わせるよな。 自分らの都合で息子だの親子だのって」

琥珀がいつもの年下の部下の・・・琥珀に戻ったようで翡翠は琥珀の話しに耳を傾けながら年上らしくあろうと思っていた。

 「主任、いくら嫌っても憎んでも血は繋がってて、切っても切れないんだ」

 「そうだね。」

翡翠はこの後に来る言葉が何となく想像がついていた。

 「だから俺親父の会社に戻るよ。」

 「うん。」

それが別れの言葉だという事も。


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